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小林よしのり
2015.9.13 03:28メディア

朝の討論番組を見て思う


今朝はTBS時事放談と、フジテレビの報道番組と、

NHKの討論番組で、安保法制の議論を見たが、

理論的にはやはり反対派が勝っている。

法案賛成派は、わしが自分の立場を離れて観察しても、

根拠が不透明になる。

 

今朝のNHK討論では、政府の言う「存立危機事態」が

この先、実際にはないだろう、そんな事態になったら、

個別的自衛権そのものになってしまうということを、

賛成派すら認めている。

 

経済的危機も「存立危機事態」に入るのかという質問には、

政府の方が必ずしもそうではないと認めている。

だとしたら北朝鮮の危機や中国の脅威を言っても、無意味

ということになる。

 

元々、安倍首相と外務省が画策した法案の動機は中国の

脅威と米軍の軍事費削減である。

内向きになるアメリカに急いで抱き付いて、日本を守って

もらおうという一心である。

そのために米軍のお役に立ちたい、それはホルムズ海峡の

機雷掃海だ、それは邦人救出中の米艦護衛だと、無意味な

発想から出発したわけで、安倍首相の、米国と「血の同盟」

になりたいという意欲が動機だ。

 

最近になって、より具体的に中国・北朝鮮の脅威を強調した

方が得策と考えたようだが、NHK討論で賛成派が認めた

ように、中国・北朝鮮が日本を攻撃することは実際には

あり得ない。

 

どうしても中東の戦争に関わることでしか、米国への

奉仕活動は出来ないのだ。

だったら「戦争法案」というのは、間違いではない。

シリアからの難民の状況を見ても、イスラム国を放っておく

ことは出来まい。

案外、日本が欧米による中東戦争の後方支援をする時期は

早いかもしれない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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